飛行機に乗る際、「離着陸時、飛行機内では全ての電子機器が使用不可能だ」と認識している人も多いでしょう。しかし近年、航空法の電子機器使用に関する規制が一部緩和され、機器によっては使用が可能になりました。
ただし、使用する際の注意点や条件を知らないと、予想外のペナルティーを受けることになってしまいます。そんなことにならないように今回は、電子機器を使用する際のポイントを紹介します。
電子機器の使用制限の概要
2014年9月1日以降、航空法の定める電子機器の持ち込みについての規制が改正され、電波を発信しない電子機器の使用が離着陸時でも可能になりました。この改正により、これまでは使用を禁止されていた電子機器や、使用に大きな制限が設けられていた電子機器の使用の範囲が広がっています。
しかし、航空機ごとに使用する際の条件が異なり、違反すれば50万円以下の罰金が科せられることがあるので、条件をきちんと確認しなければなりません。
使用が可能になった電子機器とは
航空法の規制緩和により使用可能になった電子機器には、3種類あります。
・もともと電波を発生しない電子機器
デジタルカメラ、オーディオプレーヤー、ビデオカメラ、電子手帳など
・電波を発生しない設定ができる電子機器
携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット端末など、電波を発生しない機内モードに設定ができるもの
・機内の電子機器同士で通信を行うもの
無線式マウス、無線式ヘッドホンなど
電波を発する電子機器の使用可能なタイミングや設定は?
新しい航空法によって、電波を発する電子機器の使用可能なタイミングと、使用可能な設定が変更されました。航空機の種類や電子機器の種類によって条件は異なりますが、一般的には以下のようなルールが設けられています。
電波を発する電子機器の使用可能なタイミング
携帯電話やパソコンなど、飛行機の外に向けて電波を発する電子機器は、これまで飛行機のドアが開いているときのみ使用が可能でした。しかし新しいルールでは、ドアが閉められて滑走路から誘導路上を走行しているときにも使用ができます。
この法改正によって、デジタルカメラはもちろん、スマートフォンを使ってこれまで撮影ができなかった管制塔や滑走路を撮影することができるようになりました。
また、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末で機内Wi-Fiを利用したり、パソコンや電子ゲーム、無線式ヘッドホンなど機内の電子機器同士で無線通信を行なったりすることが常時可能な航空機もあります。ただし、機内の無線LANを利用して電波を発生する電子機器の使用に関しては、各航空機によってルールが異なるため必ず確認してください。
電波を発生する電子機器の使用可能な設定
電波を発生する機器の使用を飛行機内で許可されている場合、機内モードに設定する必要があります。
タブレット端末やスマートフォンなどは設定を変更しやすいですが、ノートパソコンはドアが閉まるまでの短い時間に設定変更するのが間に合わない場合もあります。
そのため、十分余裕を持って搭乗前に設定を変更しておきましょう。
新しいルールによって、飛行中の電子機器の利用が可能になったことにより、これまではデジタルカメラで撮影ができなかった管制塔や、飛行機の降下時に見える渡航先の景色などの撮影ができるようになりました。
その反面、利用する航空機によって使用の条件が変わるため、搭乗する機材を調べるといった下調べが必要になります。飛行機に乗る前に、電子機器使用の条件をしっかりと把握しておきましょう。
作成日:2015/08/31